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    自動車製造の組立て・検査工程における文字認識に関する研究

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    名古屋大学Nagoya University工学博士製造業では,検査・仕分けの際に対象を正確に区別するためや組立て・試験での作業指示を行うために,部品や製品に多種多様の文字が印字されている。これまで製造業における文字(工業用文字と呼ぶ)の読取りの多くは人間により行われてきた。しかし,ここ数年のFAの普及に伴って,工業用文字を積極的に活用して組立て・検査工程などを自動化したいという要望が極めて強くなったため,機械による文字の読取り(文字認識と呼ぶ)が不可欠になってきた。文字認識は通常,観測・前処理・特徴抽出・識別の4過程によって行われる。観測過程では,認識する文字をTVカメラなどによって映像信号に変換し,ディジタル画像(以下,画像と呼ぶ)などを得る。前処理過程では,得られた画像に含まれる雑音や歪あるいは冗長な情報を除く。特徴抽出過程では前処理を経た画像から文字固有の特徴を抽出し,識別過程では得られた特徴をもとにして文字を判定する。工業用文字は印刷文字と刻印文字とに大別される。印刷文字は材料の表面にインクや塗料などを塗って印字する文字であり,刻印文字は材料表面の文字部分をくぼませて印字する文字である。工業用文字認識では,印字される材料が紙を含め金属やプラスチックなど多種多様であるため,観測によって得られる画像は,文書用の文字の画像に比べて雑音や歪が多く,一般に文字のコントラストは低い。そこで,工業用文字認識では,観測や前処理の改良によって,できる限り鮮明な画像を得た後,文字自体の非線形な歪(例えば,文字線幅の部分的な変動など)に強い、特徴抽出や識別を行う必要がある。自動車製造業においては,ここ数年のFAの普及にもかかわらず,製造ラインにおける作業指示や検査の大半を人間に頼ってきた。 しかし,検査の信頼性の向上や自動化が重要な課題となり,生産管理などの情報を担う工業用文字を積極的に活用して生産性を向上させたいという要望が極めて強くなったため,工業用文字認識が不可欠になってきた。 使用される工業用文字は印刷文字と刻印文字である。 車体用パネルやフレームなどの構造部品では,印字後に防錆処理や塗装されることが多いため刻印文字が使われ,刻印文字の使用頻度は高い。自動車製造業における工業用文字認識では,寸法の大きな車体用パネルやフレームなどに印字される場合には照明や位置決めが難しかったり,塗装あるいは雑音となる汚れ(水滴や油など)が多いため,他の製造業のように観測方法を改善して鮮明な画像を得ることは容易でない。 そこで,観測過程以外の方法を一層改善することが重要である。本研究の目的は,自動車製造業における工業用文字を系統的に分類し,それぞれの文字に適した認識方法およびその方法を用いた実用性の高いシステムを開発することである。 本研究の成果としては,開発したシステムの導入によって,組立て・検査工程における自動化がすすみ信頼性が向上したこと,ならびに認識結果が生産管理の情報として活用され,生産性の向上に役立ったことなどである。第1章は序論で,文字認識の歴史に触れ,製造業における文字認識の必要性,文書用の文字認識との相違の観点から,従来の研究を概観した。 また,自動車製造業における工業用文字認識の課題とそれらを踏まえた本研究の目的について述べた。第2章では,刻印文字について検討し,前処理の2値化による刻印文字の認識率改善について述べた。 刻印文字は打刻圧を一定にすることが難しいため,印刷文字に比べて文字品質は良好でない。 このような刻印文字を撮影した画像では,文字部の濃度は変動しやすく文字のコントラストは低いため,2値化後の文字線幅は変動しやすい。 そこで,所定の文字線幅を得る2値化しきい値の決定方法,およびこの2値化法を用いて開発した自動車用機械部品の製品番号認識装置について述べた。提案した方法は,2値化しきい値と文字線幅との関係を表すしきい値特性を用いて最適な2値化を行う方法である。 開発した装置を用いた実験により,提案した方法が従来の2値化法を上回る性能を有するものであることを明かにし,製造ラインの検査工程で要求される認識率を満足することを示した。第3章では,刻印文字を対象とした新しい文字切出し方式を検討し,鋼板上に打刻された自動車の車台番号の認識について述べた。 自動車の車台番号の文字は薄い鋼板に打刻されるため,打刻圧の変動により鋼板の表面全体にわたって緩やかな凹凸が生じやすい。 このような刻印文字を撮影した画像では,文字部および背景部の濃度は共に変動しやすく,文字のコントラストが低い領域も生じる。 このような画像を2値化すると,文字間の分離が困難になることや,分離すべきでない箇所で分離が行われたりすることなどが頻繁に起こり,個々の文字領域を正確に抽出することは容易でない。 そこで,2値化せずに濃淡画像から直接個々の文字領域を抽出する文字切出し方法を提案すると共に,開発した車台番号認識装置について述べた。提案した方法は,濃淡画像の行あるいは列ごとに求めた濃度のばらつきの度合を用いて個々の文字を分離する方法である。 開発した装置を用いた実験により,提案した文字切出し法が従来の2値化後に文字を切り出す方法に比べてより有効性が高いことを示した後,製造ラインに適用可能な認識率が得られることを実証した。第4章では,鋼板に打刻された刻印文字に注目し,その識別方法と有効性について述べた。 第2章では,変動した文字線幅を2値化によって所定の線幅に直す方法を示したが,この章では,文字の骨格に相当するパターンを用いて,文字線幅が部分的に変動する場合にも適用できる識別方法を提案した。 また,提案した方法に基づき車体パネル刻印文字認識装置を開発し,製造ラインにおける実験結果により,認識率は従来の代表的手法である複合類似度法を上回ることを明らかにし,実用上要求される認識率を満たすことを確かめた。第5章では,塗装が施された刻印文字に対する新しい識別方法とその有効性を述べた。 刻印文字に塗装が施されると,撮影した画像の文字郡と背景部の濃度は共に変動しやすく,コントラストも低下しやすい。 従って,2値画像では文字線幅の変動に加えて,文字輪郭形状の凹凸ならびに背景の雑音が多く生じるという識別には極めて悪い条件となる。 特に文字輪郭形状の凹凸は認識の際大きな問題となるため,そのような変動に強い識別方法が必要である。 そこで,文字の外郭形状を用いた識別方法を提案した。また,提案した方法を用いた車体フレーム刻印文字認識装置を開発し,この装置により,本方法の認識率が従来の代表的な方法である複合類似度法に比べ高いことを明かにすると共に,製造ラインに適用できる実用性の高い方法であることを検証した。第6章では,表面に塗料を転写して印字するスクリーン印刷文字について検討し,この文字に適した識別方法とその有効性について述べた。スクリーン印刷文字では種々の色が用いられるため,印刷色の違いによって撮影した画像の濃度が変わり,2値化後の文字線幅は微妙に異なることが多い。また,転写による文字外周の変動のため,位置ずれの発生は避けられない。自動車部品の生産工程では簡便かつ高速な認識が要求され,従来の方法として定点サンプリング法が知られているが,そのままではスクリーン印刷文字認識に適用できない。そこで,定点サンプリング法において,定点を何層かの領域に分け,層ごとの重なりの度合から文字を識別する方法を提案した。また,この方法に基づき,自動車部品用金属プレートのスクリーン印刷文字を対象とした認識装置の開発を行った。更に,製造ラインでの実験により,従来の定点サンプリング法と比較して,同程度の処理時間で認識率の大幅な向上が得られることを明かにし,実用上要求される認識率を達成できることを示した。第7章では,金属表面を酸化させて印字するレーザマーキング文字について検討し,この文字に適した識別方法およびその有効性を述べた。レーザマーキング文字では,文字部と背景部とのコントラストが低くなりやすい。 また,生産指示情報を示す文字として広く活用されるため類似文字が多い。 そこで,類似文字識別を主眼としたレーザマーキング文字の識別方法の開発を行った。 この方法は,標準パターンを小領域に分割し,この領域ごとに重みを変えて識別する方法である。実際の自動車部品を対象とした製品番号認識装置を開発し,多数の類似字種を用いた実験により,従来の重み付けマッチング法に比べて,安定に識別できることを示し,製造ラインに適用可能な高い認識率が得られることを確かめた。第8章は総括で,本研究の成果をまとめ,今後の課題を述べた。本研究の成果は,自動車産業に限らず広い分野における工業用文字認識にも適用することができる。現在,自動車産業における工業用文字認識は実用の途についたばかりであるが,生産工程での目視検査の自動化への寄与は大きく,省人化にも重要な役割を果たしている。本研究の具体的な成果としては,第6章で述べたスクリーン印刷文字認識システムが7システム,第3章,第4章,第5章で述べた刻印文字認識システムが4システム実用化され,生産現場で稼動していることを述べた。自動車の車台番号認識に応用して検査の信頼性を上げたことは注目されており,今後益々応用が拡大されていくものと期待される。名古屋大学博士学位論文 学位の種類:工学博士(論文) 学位授与年月日:平成2年5月28日doctoral thesi

    小学校通級指導教室における聴覚認知トレーニングの開発と評価 : 言葉の聞き取りが難しい児童の困り感の解消に向けて<人文・社会科学>

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    This paper summarizes case studies to propose various training for children who are difficult to hear words by means of APD (Auditory Processing Disorder) and to verify the effect. The target students have been practicing pronunciation training so far, and it is becoming possible to hear much. The training newly devised in this research is four types, namely, geminate training, long-term training, multiplication training, and repeat lessons. Geminate training is to write 866 words including daily grammar to the note while pronouncing it. Long tone training is to write 76 words including frequently used long tones on a note while pronouncing it. Since it is necessary to estimate words containing long tones from the context and the preceding and succeeding sounds, it is thought that the learning volume of the vocabulary greatly influences the judgment in the judgment of the long tone. Mass multiplication training was conducted because it was the biggest problem on the learning side of the second grade. As a practical training, repeat lessons are traditional dictation training that gradually shifts dictation from less letters to those with more characters. As a result of carrying out these training, the target students became able to hear almost words. Also, the difference between the average of the number of misguided letters at training start and 20 months after training end was statistically significant. Therefore, it was recognized that there was an effect in the four training that was invented.textapplication/pdfdepartmental bulletin pape

    Upper Bound on the Decay τ→μγ from the Belle Detector

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    journal articl

    ON THE USE OF THE NEYMAN'S ALLOTATION

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    Scatterplot showing the relationship between the results obtained by ELISA and indirect immunofluorescence in patients infected with (A) and in patients infected with non-species (B)

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    <p><b>Copyright information:</b></p><p>Taken from "Diagnosis of invasive candidiasis by enzyme-linked immunosorbent assay using the N-terminal fragment of hyphal wall protein 1"</p><p>http://www.biomedcentral.com/1471-2180/7/35</p><p>BMC Microbiology 2007;7():35-35.</p><p>Published online 21 Apr 2007</p><p>PMCID:PMC1868733.</p><p></p> The proposed cut-off values for indirect immunofluorescence and ELISA are indicated by the horizontal and vertical lines, respectively

    Anticandidal activities of mAb CDRs.

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    <p>A. <i>In vitro</i> candidacidal activity of three different CDR peptides (HuA L3, pc42 L1, C7/pc42 H2) against <i>Candida albicans</i> UP 10 cells as shown by CFU assay. <i>C. albicans</i> cells were treated with 100 µg/ml of each peptide in distilled water (<i>upper</i>) in comparison with distilled water only (<i>lower</i>). Each plate is representative of an assay carried out in triplicate; B. Effect of mAb C7/pc42 H1 and H2 and mAb C7 L1 CDRs on the survival curve of mice (11–12 animals/group) infected intravenously with 5×10<sup>5</sup> yeast cells of <i>C. albicans</i>. The survival curve of mAb C7 L1-treated animals was significantly different (p  =  0.01) from that of control mice. MST±SE mean survival time±standard errors.</p
    corecore